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ピアノ協奏曲 第2番 ト長調 作品44(Piano Concerto No.2 G Major Op.44)

Peter Ilyich Tchaikovsky

ピョートル・チャイコフスキー

市販メディアなし

指揮:ワルター・ウェラー
/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
pf:ジョン・リル

「第1番って言ったら、まるで第2番があるみたいじゃないの!」。あるコンサートで前の席にいた女性2人が話していた。厳密に言えば、最初は交響曲として構想したが完成せず、最終的に1楽章の協奏曲形式で仕上げたものを、弟子のタネイエフが改めて3楽章の協奏曲として補筆完成した曲もあり、これを含めて良いなら第3番まである。

他人の補筆による第3番はともかく、第2番の方は第1番に引けを取らない魅力的な作品であるにもかかわらず、第1番の圧倒的な知名度と人気の影でディスクが非常に少ない不遇の作品だ。だから以前NHKの番組「エルミタージュ美術館」のオープニングテーマに第1楽章が使用されていたのには、ちょっと驚いた。ピアニスト、ニコライ・ルービンシュタインは第1番を献呈されたときこれをこき下ろし献呈を拒否したが、セルゲイ・タネイエフによって初演されて以来好評を博し、ルービンシュタインもチャイコフスキーに謝罪したという。その後チャイコフスキーは第2番を再びルービンシュタインに献呈し、今度はルービンシュタインもこの献呈を受けたとのこと。もっとも第1番は作品23で第2番は作品44だから、この間かなりの期間が経過している。

第1楽章は、重厚な管弦楽のトゥッティで主題が提示される華麗な楽章。第2楽章はやや特徴的で、ヴァイオリンとチェロの独奏も加わった三重協奏曲のようになっている。この曲を初めて聴いたのはラジオで、'80年にロイヤル・アルバートホールで行われたライブ録音だった。残念ながらこの演奏は筆者の知る限りCD化されていない。ロンド形式の軽快な第3楽章が終わるか終わらないかのうちに、会場が熱狂的な拍手と歓声に包まれる白熱した演奏会で、CD化が望まれる。

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