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『海の交響曲』(交響曲第1番)

Ralph Vaughan Williams

ラルフ・ヴォーン=ウィリアムズ

(輸) RCA VICTOR 60580-2-RG

指揮:アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団
S:ヘザー・ハーパー、T:ジョン・シャーリー=カーク
ロンドン交響楽団合唱団

もちろん、北欧の作品ではないが、海を題材とした交響曲を語るとき、この曲をはずすことはできないだろう。しかもこの曲の場合、声楽の扱いは「~付き」といったレベルではない。全4楽章の全編に渡ってイギリスの詩人ウォルト・ホイットマンの「草の葉」から抜粋された詩が合唱を伴って歌われ、交響曲というよりむしろカンタータに近い。海といっても自然の情景描写ではなく、未知なる世界へ船出していく人類への賛歌が高らかに謳われる壮大な作品である。この辺が北欧の作曲家の手になる作品と感性が違っていて興味深い。

この海は、人類の英知と勇気によって克服されるべき苦難と未知の世界のメタファーとしての海なのだろう。

そういう意味では、映画「南極のスコット」のための音楽を元に後に交響曲化された「南極交響曲」(交響曲第7番)も根底に流れる精神性に相通じるものを感じるのだが、こちらは歴史的事実に基づいて悲劇に終わる。が、この曲もまた名曲である。

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