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カントゥス・アークティクス(鳥とオーケストラのための協奏曲)(Cantus Arcticus Op.61)

Einojuhani Rautavaara

エイノユハニ・ラウタヴァーラ

(輸)KICC-2132
    /(株)キングインターナショナル(BIS-CD-575 / BIS )

指揮:オスモ・ヴァンスカ/ラハティ交響楽団

タイトルは「極北の歌」というところだろうか。神秘主義的なフィンランドの作曲家エイノユハニ・ラウタヴァーラは、「光の天使」("Angel of Light")という、ローズマリー・バトラーの歌う「幻魔大戦」の主題歌みたいなタイトルを持つ幻想的な交響曲(第7番)を初めとして、天使を題材にした作品を多数作曲していたりもする。

この曲はおそらくラウタヴァーラの最も知られた作品と思うが、ここで紹介した演奏は「フィンランディア~フィンランド音楽フェスティバル」というCDに収録されている。全体は「沼沢地」「メランコリー」「白鳥が渡る」と題された3つの楽章に分けられているが、ホルンと弦楽器を基調としたどこかハリウッドの映画音楽も思わせる高揚感を伴った和音が終始ゆったりと流れていく感じの癒し系音楽で、第3楽章で少し盛り上がりを見せるものの一貫して印象は大きく変わらない。北の沼沢地で作曲者自身がテープに収録したという無数の鳥たちの声(本CDで使われた音源は本人による改訂版)が環境音のように背景に流され、聴いていたら鳥たちの映像を映している大スクリーンの前でオーケストラが演奏している光景が何となく浮かんで来てしまった。鳥の声はホヴァネスの曲と同様に、録音だけでなく楽器でも模倣される。

なおこれも余談だが、作曲者の名前にあるaaという母音を2つ重ねて長音とする綴り方はフィンランド語の特徴だ。英語にもeeのような例が無いわけではないが、フィンランド語の場合はaa、ee、uuなど種類が多く、語頭にも使われるので良く目立ち、フィンランド語を見分ける時のポイントになる。また、他の北欧諸国の言語がインド・ヨーロッパ語族(ゲルマン語派)に属するのに対し、フィンランド語はむしろバルト海を挟んで向かい側にあるエストニアの言葉と同じウラル語族の言語である。

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